デジタル遺品とは
近頃では、「遺品整理」「ゴミ屋敷」という言葉がよく聞かれるようになり、はては「生前整理」なる言葉までが認知され始めるようになりました。
またこれらの言葉が登場してくると同時に「デジタル遺品」という言葉も登場し、各個人が「死」というものを身近に考えされられるようになりました。
しかし、この「デジタル遺品」なんとなくわかるようでわからない言葉ですよね?
一般的には「デジタルなのだから、パソコンやスマホのことで、これらを処分すれば問題なし」などと思われているようですが、実はこれが曲者で、「デジタル遺品」はきちんと処理しなければ、後に残された遺族が大変困ってしまうようなものなのです。
そもそも「デジタル遺品」は、先程のパソコンやスマートフォンといった情報端末に残されている写真や書類などのことで、これにはインターネットサービスで作成したアカウントやIDなども含まれます。
(もちろんこの中には、インターネットバンクなどの情報も)
とはいえ、じつはこの「デジタル遺品」は、明確な定義がなく、どこからどこまでが「デジタル遺品」なのか曖昧なところがあります。
例えば、先程のパソコンやスマートフォンの端末などは、家具や家電と同じように「動産」だとも言えますし、その端末を利用して「デジタルデータ」を作ったり、アクセスするのだから、「デジタル遺品」だということもできます。
「まぁ、そんなのどっちでもいいじゃん」なんて思われるかも知れませんが、「デジタル遺品」の最もやっかいなところは、「本人以外にはわからない」というところにあります。
パソコンやスマホであれば、目に見えるものですのではっきりと「故人遺品」だということはわかりますが、例えば、スマホをパスワードでロックしていた場合、そのロックの外し方は本人にしかわかりませんし、それがわからなければスマホの中身にすらアクセスすることはできません。
そして、スマホにアクセスできないということは、故人がどのようなサービスを使用していたのかさえもわかりませんし、そこにログインするパスワードだって、調べようがありません。
まぁ、従来の遺品においても、どこの書類があるのかわからないなんてこともありましたが、大抵の場合、送られてくるハガキや催促状などを見ることによって、故人がどのようなサービスを利用していたのかを把握することができますが、デジタル遺品となると、先方からの連絡がメールアドレスだったりすると、もう調べることはできません。
1番怖いのは、月々の定額サービスに入っていて、それをクレジットカードで支払っている場合で、放置しておくと月ごとにサービス代金を引き落とされることになります。
これが、また本人の隠しクレジット口座であった場合は、もうどうしようもありませんよね。
とにかくデジタルで作られた「デジタル遺品」は簡単に作成できるけれど、あまりに個人的なものですので、残された遺族では全てを把握することが難しいものだと言えます。
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