近年、終活の一環として「デジタル遺品」の整理が注目を集めています。
デジタル遺品とは、故人が生前に使用していたスマートフォン、パソコン、SNSアカウント、ネット銀行、オンラインストレージなど、デジタル上に残されたデータやアカウントのことを指します。
かつては遺品といえば、アルバムや手紙、通帳といった物理的なものが主流でしたが、今や多くの人が日常的にデジタル機器を利用しているため、その整理は避けて通れないものとなっていて、多くの人を悩ませています。
デジタル遺品最大の問題は、故人が何のデジタルサービスを利用していたのかを、家族が把握できない場合が多く、パスワードが分からずアクセスできないまま、重要な情報が取り出せなかったり、有料サービスの契約が自動で更新され続けていたりすることがあり、最悪の場合、資産の存在にすら気づかれないまま、放置されてしまうケースも。
そのような事態を避けるため、終活の一環としてデジタル遺品の整理を始めることが勧められており、具体的には、使用中のアカウントやサービスをリスト化し、パスワード管理アプリなどで安全に保管しておくことが有効で、信頼できる家族や専門家に情報を共有しておくことで、万が一のときにもスムーズに対応してもらえます。
現代の終活は、単なる物の整理にとどまらず、自分の人生をどう締めくくるかを考える総合的な活動になっていて、デジタル遺品の整理もその一部として捉え、今から少しずつ準備を進めていくことが大切です。
自分がこの世を去った後、大切な人たちに余計な負担をかけないためにも、デジタルの面からも「後始末」を考える時代が到来しているのです。